展示会のタイトルは「ゴヤ−光と影」。確かに前半の明るく伸びやかなゴヤと、後半の暗くてシニカルなゴヤはまるで別人。戦争に人間の本性を見たのか、人間観察者としてのゴヤは、最後は相当な人嫌いになってしまったようです。解説では「希望も垣間見える」というようなことが書いてありましたが、どうも怪しいものです。そんなわけで、個人的には戦争前のゴヤは好き、でもその後のゴヤは嫌い、という、たぶん極めて一般的な感想を持つに到ったのでした。
でも、後半のシニカルなゴヤを知ることによって、却って戦争を知らない時代のゴヤの無垢さ、素直さに貴重なものを見出します。「着衣のマハ」の微笑みは、そんな時代のゴヤの幸せな気持ちがこちらにまで伝わってきて、切ないのです。
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